コープオリンピア
これまで高層ビルをご紹介してきましたが(ペースは遅いのですが)、
今回は近年建築された高層ビルではなく、歴史のある建物についてご紹介します。
代々木公園前の交差点の角にある、「コープオリンピア」です。
完成は1965年、今から50以上前に建てられた、高級マンションで、日本初の「億ション」としても知られています。
50年以上前の物価で1億円ですから、現在の価格にすると一体いくらになるのでしょうか。
清水建設により設計され、地上8階、地下2階建て。建設当時からエレベーターや空調設備が備わっており、ホテルのようなサービス・設備を備えています。表参道に面したフロアには、飲食店や美容院などのテナントが入居しており、50年以上経った今での人気スポットとなっています。
この「コープオリンピア」という名前は、1964年に開催された東京オリンピックが由来となっています。
実はこのコープオリンピアは代々木体育館などで行われたオリンピックの選手宿舎として使われた建物で、1戸あたりの占有面積は実はそんなに広くはありません。
1戸あたりの面積が広くはないとは言え、ビンテージマンションとして富裕層やデザイナーなどに高い人気を誇っています。
現在でも原宿、表参道の顔として位置しているコープオリンピアですが、何年も前から建て替えの話が持ち上がっています。50年以上も前の建物ですし、湿気や地震の多い日本においては建て替えの検討は避けては通れない問題だと思います。
しかしここで問題になっているのが容積率や権利変換率といった問題です。
コープオリンピアは容積率600%として建設されましたが、のちのこの地域は容積率450%、高さ制限30mの規制が作られたため、建て替えた場合ほぼ間違いなく述べ床面面積が減少してしまうことになります。
一般的にマンションの建て替えにあたっては、新規分譲区画を作り、その売り上げを建て替え費用の一部とします。そうすることで所有者の建て替え負担を減らすことができます。
コープオリンピアの場合、この権利変換率が85%となってしまっています。
つまり、この方法をとった場合、各居室の面積が85%に減少してしまうわけです。
ただでさえ、決して広くない居室がさらに減少してしまうわけです。
これらが問題となり、現在も建て替えの議論が継続している状態となっているそうです。
私個人としては、コープオリンピアは表参道になくてはならない存在だと思います。
時間の経過とともにその存在は大きくなり続け、その街並みを形成している重要な要素となっています。またその歴史が表参道の景色を美しいものにしていると感じています。
建て替えてしまっては、その重厚感、歴史的な重みはなくなり、「単なる新しい建物」となってその歴史もリセットされてしまいます。
スクラップ・アンド・ビルドは安全だしビジネスとしてもメリットが多いのは間違いないですが、このコープオリンピアは残さなければならない建築だと思います。


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